2019年の自動車国内販売台数は前年比8.6%増、生産台数も2.3%増加

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年01月22日

全国自動車製造業者協会(Anfavea)によれば、2019年のブラジルの自動車(乗用車、軽商用車、バス、トラックの合計)生産台数は前年比2.3%増の294万4,962台だった。国内販売台数(新車登録ベース)が278万7,850台と8.6%増加したことが、生産台数の拡大に寄与した。一方、輸出台数は主要輸出先のアルゼンチンの経済低迷を受け、31.9%減の42万8,198台と大きく減少した。

国内販売台数が増加した要因について、ブラジル自動車流通業者連合(Fenabrave)のアラリコ・アスンプサオ会長は、利下げによる個人向け融資の拡大などが消費を喚起した、と述べている。また、中央銀行が2019年12月27日付で公表したデータによれば、2019年1~11月の法人向け貸付残高で、自動車購入分野が55%増の478億5,300万レアル(約1兆2,442億円、1レアル=約26円)となった。複数の現地有力紙によれば、ウーバーなどをはじめとした配車サービスが国内に広まり、これらのサービスを提供する法人が自動車を購入し、リースで運転手に貸し出すため、自動車購入向けの貸付が拡大したとみられている。

2019年の生産台数および国内販売台数(新車登録ベース)は2015年以降で最も多く、国内需要が徐々に回復していることが分かる(図参照)。

また、自動車ディーラーが加盟するFenabraveの資料(表参照)で2019年のブランド別国内販売シェア(乗用車、軽商用車合計)をみると、上位から順にゼネラルモーターズ(GM、17.9%)、フォルクスワーゲン(15.6%)、フィアット(13.8%)、ルノー(9.0%)と続く。日系メーカーはシェアの高い順に、トヨタが8.1%、ホンダが4.9%、日産が3.6%となっている。2018年と比較すると、フォルクスワーゲンがシェアを最も上げている。

図 ブラジルの自動車販売、生産、輸出台数推移
表 ブランド別国内販売シェア(乗用車、軽商用車合計)

(古木勇生、高橋ルシア)

(ブラジル)

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