2019年12月の自動車販売、SUVが引き続き大きな伸び

(インド)

ベンガルール発

2020年01月27日

インド自動車工業会(SIAM)は1月10日、2019年12月の自動車統計を発表した。乗用車販売台数〔スポーツ用多目的車(SUV)とバンを含む〕は前年同月比1.2%減の23万5,786台と、前月に続きわずかな減少となった(表1参照)。一般乗用車は8.4%減の14万2,126台、バンは53.4%減の8,408台とそれぞれ落ち込みを続けている一方、SUVを含む多目的自動車(UV)は30.0%増と10月から引き続いての2桁増となった。SIAMは「9~12月の祝祭シーズンにおける、メーカー各社による新モデルの投入や値引きキャンペーンなどが、販売を牽引した。バイヤーの好みも、一般小型乗用車からSUVにシフトしつつあり、同セグメントが今後も乗用車販売を大きく支えていく」とした。

表1 2019年12月の部門別自動車の販売台数

2019年12月は、主要メーカー13社のうち、5社がプラス成長となった(表2参照)。首位のマルチ・スズキは、前年同月比2.5%増の12万2,784台、3位のマヒンドラは3.9%増の1万5,686台とそれぞれプラスに転じた。一方、2位の現代は9.8%減の3万7,953台にとどまった。また、2019年9月にインド市場へ参入した韓国・起亜は4,645台で、11月の1万4,005台から大きく減少した。車種別では、スズキの「エルティガ」、現代の「ベニュー」、MGモーターの「ヘクター」、ルノーの「トライバー」などの小型SUVの需要が引き続き好調だった。

表2 2019年12月の主要メーカー別乗用車国内販売台数

二輪車では、スクーターの販売台数が前年同月比24.5%減の30万6,550台、オートバイは12.0%減の69万7,819台で、ともに2桁台の落ち込みとなった。メーカー別では、主要メーカー8社のうち、2社のみがプラス成長を確保した(表3参照)。二輪車全体の販売台数は16.6%減の105万38台と2桁減がまだ続いているが、2019年9月以降は、減少幅が縮小傾向にある。

表3 2019年12月の主要メーカー別二輪車国内販売台数

商用車と三輪車を含む2019年12月の自動車販売台数は、前年同月比13.1%減の140万5,776台だった。SIAMは「金融機関の融資厳格化により資金調達が困難な状況がまだ残っているものの、2019年9月以降、UVと三輪車を中心に自動車需要は回復基調にあり、今後も新排気ガス規制BS-VIの導入前の駆け込み需要により、販売が次第に拡大していくことが期待できる」との見方を示している。

2019年4~12月の販売台数では、乗用車が前年同期比16.4%減、二輪車が15.8%減、商用車が21.1%減となっており、2019年度通年では5年ぶりに前年割れとなる可能性が高い。

(ディーパック・アナンド)

(インド)

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