マニラ近郊の火山噴火、警戒レベル引き下げ、避難区域も縮小

(フィリピン)

マニラ発

2020年01月27日

フィリピン火山地震研究所(PHIVOLCS)は1月26日午前8時、マニラ首都圏の南方約60キロに位置するタール山の噴火警戒レベル4(危険な噴火が差し迫った状態)から3(危険な噴火の恐れが減退した状態)に引き下げた。噴火活動が活発になった1月12日以降、噴火警戒レベルは4を継続していたが、噴煙活動が弱まったことを受け、3に引き下げた。

1月12日以降、継続した半径14キロ以内の地域からの避難指示についても、26日午前8時をもって半径7キロ以内に地域を縮小した。

PHIVOLCSは、レベル3に引き下げたものの、危険な噴火の恐れがなくなったわけではなく、今後の火山活動の状況次第ではレベル4に再度引き上げる可能性もあるとしている。

災害リスク削減管理委員会(NDRRMC)によると、27日午前6時現在で13万7,447人が避難し、39万4,094人が噴火の影響を受けたとされる。12日の噴火発生後、752回の地震が発生し、うち有感地震は176回。また、643便の航空便が欠航(国内便:383便、国際便:260便)したが、27日現在では通常運航に戻っている。20日までにカラバルゾン地方の20市で一時停電が生じたが、27日現在で全ての市で電気供給が回復している。

(坂田和仁)

(フィリピン)

ビジネス短信 ad6c34ed9a5f3649