石油製品マーキング制度を2月から本格実施、密輸や脱税を防止

(フィリピン)

マニラ発

2020年01月28日

フィリピン財務省のカルロス・ドミンゲス長官は1月10日、合法的に輸入されるガソリンや灯油、軽油などの石油製品に特殊な染料を混ぜることで不法に輸入・密輸された製品を特定する石油製品マーキング制度を2月から本格実施するに当たり、既に11億リットルの石油製品が不正でないことを証明するマーキングが完了したと発表した(1月13日付インクワイアーほか地元各紙)。

財務省の内国歳入庁(BIR)は1月3日、国内全てのガソリンスタンドに対して、12月31日時点で保有する在庫全てに同制度に基づくマーキングが完了しているかどうか、1月15日までに報告するよう求める通達を発出していた。

この制度は2018年1月に成立した税制改革法第1弾(TRAIN法、共和国法10963号)に基づいて、2019年3月から試験的に導入されている。

フィリピン政府は制度の導入によって2020年に100億ペソ(約220億円、1ペソ=約2.2円)の追加税収を見込む。政府は、石油製品の密輸や不法輸入によって2016年には269億ペソの税収が喪失したとしている。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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