2019年のアルゼンチン自動車産業は低迷

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年01月23日

アルゼンチン自動車製造業者協会(ADEFA)は1月6日、2019年12月の自動車国内生産台数(大型トラック・バスを除く)を1万4,524台と発表した。前年同月比では29.1%減少しており、2019年の年間生産台数は31万4,787台(前年比32.5%減)にとどまった。2004年以降で最も少ない生産台数となった。

2019年12月の自動車輸出台数は1万8,965台(前年同月比17.4%減)で、2019年の年間輸出台数は22万4,248台(前年比16.7%減)だった。年間生産台数と年間輸出台数の減少は、アルゼンチン国内の市場縮小、および最大の輸出相手国であるブラジル向け輸出の低迷が原因だ。これまで、ブラジルへの輸出台数は全体の80%を占めていたが、2019年は67.1%にとどまった。なお、ブラジル以外の主な輸出先としては、中米(輸出全体の7.4%)、ペルー(5.9%)、チリ(5.3%)、コロンビア(4.7%)、メキシコ(2.8%)、オセアニア(1.8%)、アフリカ(1.3%)が挙げられる。その中でも、輸出台数が前年から最も伸びたのはペルーで、1,964台増加した。

アルゼンチン自動車販売代理店協会(ACARA)によると、12月の自動車国内販売(新車販売登録)台数(重・軽商用車とその他大型車を含む)は2万1,190台(前年同月比25.2%減)となった。2019年の年間国内販売台数は前年比42.7%減の45万9,592台で、2006年以来の最低水準となった。インフレによる新車価格の高騰および金利の上昇に伴い、自動車購入資金の調達が困難となっている状況が、新車の売り上げを急減させたとみられる。

(津下みなみ)

(アルゼンチン)

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