カナダの新車販売台数、2019年は2年連続で減少

(カナダ)

トロント発

2020年01月14日

調査会社デロジエ・オートモーティブ・コンサルタントが1月3日に発表した統計によると、カナダの2019年の新車(乗用車および小型トラック)販売台数は、前年比3.6%減の191万4,357台で、2年連続の減少となった(表参照)。

表 メーカー別の新車(乗用車および小型トラック)販売台数

メーカー別にみると、首位のフォードが3.4%減、2位のゼネラルモーターズ(GM)が10.9%減の一方、3位のトヨタは「RAV4」の販売が好調だったこともあり、2.4%増で前年に引き続き過去最高の販売台数を記録した。4位のフィアットクライスラー・オートモービルズ(FCA)は0.8%減、5位のホンダは3.4%減で、トップ5の順位は前年と変わらなかった。そのほかの日系メーカーでは、三菱自動車(1.2%増)は増加したが、日産(9.6%減)、マツダ(10.1%減)、スバル(0.9%減)は減少した。日系メーカー6社の総販売台数は71万127台と、過去最高記録した前年より3.2%減少したが、カナダにおけるマーケットシェアは前年の36.9%から37.1%に伸びた。

新車販売台数をセグメント別でみると、乗用車(セダン、クーペ、ハッチバック)の販売が16.1%減少した一方、小型トラック〔スポーツ用多目的車(SUV)、クロスオーバーSUV(CUV)、バン、ピックアップトラック〕は1.6%増加し、両セグメントを合わせた総販売台数に占める小型トラックの割合は74.7%と過去最高になった。小型トラックの車種別の販売台数では、フォードのFシリーズが14万5,064台で首位だった。また、小型トラックの中でも市場が拡大するSUVでは、トヨタのRAV4が17.8%増の6万5,248台で1位だった。

自動車アナリストのデニス・デロジエ氏は、2年連続の減少は金融危機後の2008~2009年以来だが、2019年の新車販売台数は過去4番目に多いとした上で、「現状は停滞期に入ったとみている。マイナス面の脅威はほとんどないものの、大幅な増加の可能性もない」とコメントした。また、前回の停滞期から販売回復に7~8年を要したことを考えれば、2023年までは停滞が続くと予測し、「ただし、最悪の事態は大きな変動で、安定は必ずしも悪いことではない」としている(「フィナンシャル・ポスト」紙電子版1月6日)。

(飯田洋子)

(カナダ)

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