2018/2019年度のGDP成長率を8.15%に上方修正、過去最高を更新

(バングラデシュ)

ダッカ発

2020年01月08日

バングラデシュ統計局は12月12日、2018/2019年度(2018年7月~2019年6月)のGDP成長率を8.15%と発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。当初は8.13%の見込みだったが、確定値では0.2ポイントの上方修正となり、過去最高だった2017/2018年度の7.86%を更新し、初の8%台のGDP成長率を記録した(表1参照)。

表1 産業別の実質GDP成長率

GDPの6割を超える民間消費が 3.9%増(前年度:11.0%増)と伸び率が下がったものの、前年に続き、インフラ需要を背景とした民間投資が8.5%増(8.8%増)、好調な政府投資は8.4%増(16.0%)、さらに輸出額の8割を占める衣料品の輸出増により、財・サービスの輸出は10.9%増(8.1%増)と好調な伸びになった。また、財・サービスの輸入については、前年度の27%という大きな伸びから、2.0%減とマイナスに転じた。

セクター別のGDPについては、サービス分野が51.4%と最も大きなシェアで、郷里送金などを背景とした小売業、健康分野などが好調な伸びを示し、6.8%増となった。シェア35.0%で続く鉱工業分野では、特に縫製業が好調だったことを受け、製造業が14.2%増となった。また、好調なインフラ開発を背景として、建設業は10.3%増だった。13.7%のシェアを占める農業分野は3.9%増と、前年度並みの伸びとなった。

バングラデシュ統計局は、経済成長率以外の指標も発表した(表2参照)。人口は1億6,555万と前年度から190万人の増加になった。また、為替レート(期中平均)は、1ドル=84.0タカとなり、前年度(82.1タカ)よりタカ安傾向が進んだ。1人当たりGDPは1,828ドル、1人当たり国民総所得(GNI)は1,909ドルとなった。GNIの5.2%を占める海外出稼ぎ労働者からの郷里送金は、前年度の150億ドルから164億ドルへと9.6%増加した。

表2 主要経済指標

バングラデシュは、2019/2020年度のGDP成長率の目標を8.2%に設定している。上半期は、旺盛なインフラ需要に加え、海外出稼ぎ労働者による郷里送金額が7~11月に77億ドルとなり、前年同期比22.7%増で順調な一方、輸出の8割を占める衣料品輸出は7~11月が前年同期比7.7%減と不調が続いている。2020年の年明け以降、バングラデシュの下半期の動向が注目される。

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

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