2019年通年のGDP成長率は2.0%に
(韓国)
ソウル発
2020年01月27日
韓国銀行(中央銀行)は1月22日、「2019年第4四半期および年間GDP(速報)」を発表した。それによると、第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率は前期比1.2%、前年同期比2.2%で、2019年通年では前年比2.0%だった(表1、2参照)。
韓国銀行が発表した2019年第4四半期の実質GDP(前期比)を支出項目別にみると、主な内容は次のとおり。
- 民間消費:耐久材(乗用車など)、サービス(飲食、娯楽文化など)が増加し、0.7%増。
- 政府消費:物件費と健康保険給与費の支出を中心に2.6%増。
- 建設投資:建物と土木建設が増加し、6.3%増。
- 設備投資:機械類(半導体製造装置など)を中心に1.5%増。
- 輸出:機械類などは増加したが、運輸サービスなどが減少し、0.1%減。
- 輸入:自動車などは増加したが、居住者の国外消費が減少し、前期と同水準を維持。
経済活動別(業種別)では、農林漁業は栽培業および漁業を中心に2.2%増、製造業は機械および装備などが増加し1.6%増、電気・ガス・水道事業は電気業を中心に3.9%増、建設業は建物と土木建設が増加し4.9%増、サービス業は、卸売・小売業、飲食・宿泊業、医療・保健・社会福祉サービス業などの増加で0.7%増だった。
なお、韓国銀行の発表を受け、現地報道は「財政が景気を支えたが、民間の経済活力にはつながらず」(毎日経済新聞)、「2019年の経済成長率が2.0%に…2009年の金融危機以来、10年ぶりの最低値」(朝鮮日報)と報じた。
政府支出について、韓国銀行のパク・ヤンス経済統計局長は同日行われた記者会見で、「米中貿易摩擦による世界的な貿易環境の悪化、半導体市況の回復遅延などを受け、輸出が鈍化し、民間部門の成長活力が悪化した」とし、「民間部門のモメンタム(勢い)が弱まったため、政府が拡張的財政政策を運用した」と説明した。
〔諸一(ジェ・イル)〕
(韓国)
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