建物修復に対し大規模な税額控除措置を導入

(イタリア)

ミラノ発

2020年01月27日

2019年12月27日に可決された、イタリアの2020年予算法の中で、建物外壁の修復工事に対して、かつてない90%という高率の税額控除が与えられる「スーパー・エコボーナス」が導入された。

同制度は、2020年内に実施された建物外壁の保全・修復工事、モルタル塗り、清掃や塗装を対象としており、費用総額の90%が税額控除される。また、市街地が適用対象で、山間地の建物以外は全ての建物の修復が対象となる。通常、あらゆる税控除措置は対象となるコストの上限額が定められているが、同制度にはそれが定められていないということも特徴としている。

イタリアでは、省エネや地震対策のために、住宅の省エネ設備や修復工事などを実施する者を対象にした「エコボーナス」と呼ばれる税額控除措置が長年にわたって導入されてきた。同措置は、マンションや個人住宅の修復工事、および省エネ設備や省エネに寄与する窓枠と窓ガラスの設置、耐震工事などに対し、工事の種類に応じてそれぞれ50~85%程度の税額控除を適用するものだ。これらの税額控除は、必要書類の提示によって所得税の確定申告の折に計算され、10年間にわたって受けることができる。

ダリオ・フランチェスキーニ文化遺産相は「勇気ある税額控除制度の導入によって、大都市や小さな町の歴史的中心地、郊外にあるマンションおよび個人の住宅が修復され、町の美観が向上するだろう」とコメントしている。

(佐野さつき)

(イタリア)

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