ドゥテルテ大統領、医薬品小売価格に上限設定する大統領令発令に意欲

(フィリピン)

マニラ発

2020年01月27日

フィリピンのドゥテルテ大統領は、国内で販売される医薬品の小売価格に上限を設定する大統領令を近く発令すると発表した。1月14日付で「フィルスター」など各紙が報じた。

フィリピン保健省(DOH)は12月に、フィリピンは他国より医薬品の小売価格が高いとし、少なくとも120種類の医薬品の小売価格に上限を設定するための大統領令の草案を大統領府に提出したと発表していた。高血圧やがん、糖尿病、心血管疾患、慢性肺疾患といった疾病の医薬品が対象となる。

ドゥテルテ大統領は、医薬品の小売価格の上限設定によって現在の半額程度まで価格が下がり、より多くの国民が医薬品を購入することが可能となるとし、大統領令の早期発令に意欲を見せた。

医薬品業界団体のフィリピン医薬品ヘルスケア協会(PHAP)は、これによって特に小規模のドラッグストアが閉店に追い込まれるとして反対を表明している。また、同様の施策を実施した外国では、経営が立ち行かなくなった小規模のドラッグストアが倒産したり、大企業に買収されたりするケースが増加したと主張している。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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