政府、雇用制度改革や法人税引き下げの国会審議を予定

(インドネシア)

ジャカルタ発

2020年01月23日

インドネシア政府は、投資活動の活性化と雇用創出を目的に、採用・解雇手続きなど雇用制度や、法人税引き下げを含む税制についての法案を、2020年の国会で審議する予定だ。地元報道によると、両法案は政府内での検討が最終段階にある。「オムニバス法」と名付けられた、複数法令の整理・統合を通じた法制度改革が、有効な経済政策となるかが注目される。

ヤソナ・ラオリ法務人権相によると、雇用創出に関するオムニバス法は、既に95%まで完成している。報道によると、同法案の策定に当たり、82の関連法令の整理統合が実施されており、雇用関連のほか、研究開発とイノベーション、経済特区、土地に関する権利の簡素化など、企業活動に関連する幅広い内容が見直される見込みだ。雇用については、既存の月給制に加えて時給制の導入、採用と解雇手続きの簡素化などが議論されている。時給制は、週当たり労働時間が35時間未満の場合に適用するもので、パートタイム雇用を促す目的があるとされている。

税制に関するオムニバス法は、7法令の修正のみになると報道されている。同法案では、現行25%の法人税の税率を、2021年から2022年に22%に引き下げ、2023年には20%まで引き下げる方針だ。また、外国人労働者の所得税の対象について、全世界所得から、インドネシア国内所得のみとする方針だ。従来、インドネシアに183日以上滞在する外国人は、母国で支払われる給与も含めた全世界所得を、インドネシアで納税する義務があった。

これらの法案は、早ければ1月にも政府内で取りまとめ、国会審議が開始される見込みだ。

(山城武伸)

(インドネシア)

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