2010~2017年のGDPを再算出、年平均25.4%の上方修正

(ベトナム)

ハノイ発

2020年01月24日

ベトナム統計総局は12月13日、2010~2017年のGDPの見直しを実施し、再算出結果を発表した。再算出後のGDPは年平均25.4%の上方修正となり、2017年のGDPは、5,006兆ドン(約23兆5,282億円、1ドン=約0.0047円)から、6,294兆ドンに見直された(表参照)。

表 再算出後のGDP関連指標

2017年の1人当たりGDPは2,985ドルに上方修正された。自動車や耐久消費財などの購入拡大の目安とされる、3,000ドルを現時点では既に超えているものと推測できる。また、GDPが上方修正されたことで、公的債務の対GDP比率は低下した。ベトナムでは公的債務の対GDP比上限が65%に設定されていたことで、インフラ案件の承認や支払いの遅延などにつながっていたため、GDPを基準とする政策に関して今後の動向が注視されている。

統計総局によると、今回の見直しは国際的な統計の慣行に基づくもので、IMFや国連の協力で算出方法や情報源が見直された。今回発表されたGDP修正値は経済状況を的確に把握し、当面は、ベトナム政府が策定中の2021~2025年社会経済発展計画(SEDP)と、2021~2030年社会経済発展戦略(SEDS)の目標設定に利用される。一方、2011~2015年SEDPと2011~2020年SEDSの評価には、旧算出法に基づいて算出されたGDPを使用することになっている。

なお、GDP修正値を対外的な公表値として適用する時期や、2018年と2019年のGDP修正値については、まだ正式に公表されていない。統計総局の担当者へのヒアリングによると、2018年と2019年のGDP修正値は6月ごろに公表する予定だという。また、GDP修正値は2021年1月1日から政府の対外的な公表値として適用される予定で、それまでは旧算出法によるGDPを公表値として扱うという。

(庄浩充)

(ベトナム)

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