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米国の食肉加工・農業大手2社がカザフスタン進出、米中貿易摩擦回避が狙い

(カザフスタン、米国、中国)

タシケント発

2020年01月07日

米国を公式訪問していたカザフスタンのアスカル・マミン首相は、農業分野での米国からの投資に関する文書に調印した。首相公式ウェブサイト(12月10日)によると、投資を予定しているのは、米国食肉販売大手「タイソンフーズ」と、インフラや農業用灌漑システムを手掛ける「バルモントインダストリーズ」の2社。

「タイソンフーズ」は米国アーカンソー州に本部を置く、年間売上高424億ドル、従業員14万人の米国最大の食肉加工企業。投資計画では、牛肉加工工場2カ所と鶏肉加工工場1カ所を段階的に建設する。牛肉加工工場の生産能力は日量10万~12万トン(2,000頭)規模を予定している。投資額は最大50億ドルが見込まれている。食肉加工工場の建設は早ければ2020年4月に開始される見通し。「バルモントインダストリーズ」はネブラスカ州オマハを拠点に、乾燥地で効果を発揮する「センターピポット方式」(注)の農業用灌漑事業を世界的に展開している。カザフスタンに灌漑プラント施設の建設を進め、灌漑農地を現状の140万ヘクタールから2022年までに200万ヘクタール、2030年までに300万ヘクタールまで拡大することを目指している。

マミン首相は「タイソンフーズ」の家畜の大量生産と食肉加工のノウハウ、「バルモントインダストリーズ」の灌漑技術により飼料を確保できれば、国内の食肉生産量を飛躍的に増加できると期待している。

「タイソンフーズ」のカザフスタン投資の背景には米中の貿易摩擦がある。同社は中国への食肉輸出拡大を目指しているが、12月現在、中国は米国産食肉に追加関税を課している。これに対し、カザフスタン産食肉に対する関税は通常の税率のため、米中間の貿易摩擦で上昇した中国の輸入関税を回避する狙いがあるとみられている。

(注)農地の中心から地下水をくみ上げ、それに肥料を加え、巨大な自走式スプリンクラーで、コンパスで円を描くように水(+肥料)をまいていく灌漑方式。比較的低コストで効率的に灌漑できる。

(増島繁延)

(カザフスタン、米国、中国)

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