トランプ米大統領がUSMCA実施法案に署名、カナダも国内批准手続き開始

(米国、カナダ、メキシコ)

ニューヨーク発

2020年01月30日

トランプ米国大統領は1月29日、米議会で可決された米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)実施法案(HR5430外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)への署名を行った。これにより、米国の批准は完了となるが、発効にはカナダの批准や自動車分野の原産地規則に関わる統一規則の策定作業などが残る(2020年1月17日記事参照)。

「NAFTAの悪夢」は終わりとアピール

トランプ大統領は、ホワイトハウスで署名前演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを行い、「今日で北米自由貿易協定(NAFTA)という悪夢を終わらせることができる」と成果をたたえた。大統領は、米自動車大手がミシガン州などで大規模な投資計画を発表していることを引き合いに、NAFTAで奪われた大量の雇用をUSMCAで取り戻せると述べた。同席したライトハイザー米国通商代表部(USTR)代表も、USMCAは巨大な市場アクセスを確保する、超党派の支持を得た新しい貿易協定だと称賛した。他方、署名式には、USMCAを支持した共和党議員や業界関係者が出席したが、労働ルールなどの修正交渉を主導した民主党議員は招待されなかった。

米国の批准手続きがメキシコに続いて完了し、残るはカナダのみとなる。カナダではクリスティア・フリーランド副首相兼政府間関係相が1月29日、カナダ・米国・メキシコ協定(CUSMA)実施法案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを提出し、今後、批准に向けた国内手続きが本格化する。同相は法案提出後、「今日は、われわれの最も重要な貿易パートナーとの関係にとって重要な節目となる。政府は、全ての議員と協力して新NAFTAを迅速に批准することを楽しみにしている」との声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。

(藪恭兵、中溝丘)

(米国、カナダ、メキシコ)

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