フィリピンで初の新型コロナウイルス感染を確認

(フィリピン)

マニラ発

2020年01月31日

フィリピン保健省(DOH)は1月30日、新型コロナウイルスによる肺炎の感染を国内で初めて確認したと発表した。患者は中国・武漢市から香港経由で21日にマニラ国際空港に到着した38歳の女性で、25日にせきの症状を訴えて政府病院を訪れ、検査が続いていた。政府は入院している病院名を公開していない。

フィリピン国内で新型コロナウイルスの感染者は29日まで確認されていなかったが、23人が感染の疑いがあり検査が続いていた。大半が中国人で、武漢市の滞在歴があるとされ、今回感染が確認された女性もそのうちの1人とされる。

また、29日には、感染の疑いがあって検査を実施していた中国人男性がマニラ市内の病院で死亡した。30日現在もこの男性の感染有無の検査が続いている。

また、フィリピン入国管理局は1月28日、中国人に対してフィリピンの空港到着時の到着ビザの発給を一時的に停止すると発表した。武漢市からフィリピンの観光リゾートのボラカイ島を訪問するため、23日にフィリピンに到着した中国人約600人について、フィリピン政府は国内感染を防止するため、中国へ強制的に帰国させた。

フィリピン政府は28日、新型コロナウイルスによる肺炎患者の世界的な増加を受け、武漢市を含む湖北省に居住するフィリピン人のうち希望者をフィリピンに帰国させるため、2機のチャーター機を湖北省に向かわせる準備を実施していると発表した。30日時点でチャーター機の具体的な飛行日程は明らかにされていない。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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