2019年の自動車生産、5年ぶりのマイナス、辛うじて200万台維持

(タイ)

バンコク発

2020年01月30日

タイ工業連盟(FTI)自動車部会は1月22日、2019年の自動車生産台数が前年比7.1%減の201万3,710台となったと発表した(表参照)。2014年の188万台を底に、タイ経済に歩調を合わせて回復基調に転じ、2018年には5年ぶりに200万台を上回る217万台の生産を記録したが、2019年は一転して5年ぶりのマイナスになった。FTIは2019年10月18日に同年の自動車生産台数を年初予想の215万台から200万台に下方修正していた。

12月単月では前年同月比20.8%減の13万4,208台と大幅に落ち込み、8カ月連続のマイナス、3カ月連続の2桁減となった。

2019年の生産台数の内訳をみると、国内販売向けが前年比4.7%減の97万6,546台、輸出向けが9.2%減の103万7,164台で、国内販売、輸出ともに落ち込んだ。車種別では、乗用車が9.1%減となる80万4,340台、商用車が5.7%減の120万9,370台となった。

FTIは、米中貿易摩擦や通貨バーツ高、海外からの観光客減少、干ばつによる農家の購買力低下、弱い内需、政治リスクによる影響が懸念されるものの、2020年の自動車生産台数について、2019年10月18日の2019年最終見通しと同じ国内販売向け100万台、輸出向け100万台、合計200万台と発表した。

2019年の自動車輸出台数は、前年比7.6%減の105万4,103台となったが、減少は主にバーツ高と米中貿易摩擦による世界的な景気減速によるもので、仕向け地別にみると、輸出台数が増加した地域は中近東(21.8%増)しかなく、それ以外のアジア(0.8%減)や欧州(5.5%減)、オセアニア(15.2%減)、北米(16.5%減)、中南米(24.2%減)、アフリカ(19.5%減)は軒並みマイナスとなった。FTIは2020年の自動車輸出台数を前年比5.1%減の100万台と見込んでいる。

2019年の自動車の国内販売台数は前年比3.3%減の100万7,552台となった。減少は主に景気後退と金融機関による自動車ローン規制の強化によるもので、12月は前年同月比21.4%減の8万9,285台と、7カ月連続のマイナスとなった。FTIは2020年の国内販売台数を前年比0.7%減の100万台とみている。

表 2019年12月および2019年1~12月の自動車生産、国内販売、輸出台数

(高谷浩一、トンワニッチャノッパクン・ニチャーパッタラ)

(タイ)

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