ジェトロ、初のデジタルヘルス分野のミッション派遣

(イスラエル)

テルアビブ発

2019年12月10日

ジェトロは11月25~28日、イスラエルに初めてデジタルヘルス分野に特化したミッションを派遣した。政府による支援や、デジタルヘルスの基礎となる患者の医療データの取得と活用状況、マーケットニーズ、スタートアップの強みなど、同国のデジタルヘルス分野の実態を確認し、新たなビジネスにつなげることを目的としている。

ミッションには光学機器・電子機器メーカーや医療機器メーカー、製薬企業、保険など合計13社が参加した。イスラエルのデジタルヘルス関連のソリューションを取り入れ、日本企業が持つ技術、製品やアセットと組み合わせることにより、企業が直面する課題や日本の社会課題の解決を目指すことを念頭に、1990年代半ばから蓄積されている医療データについて知見を得られるようなプログラムとなっている。

VC(ベンチャーキャピタル)やインキュベーター、スタートアップ、HMO(健康維持機構)、病院、関係省庁などを訪問したほか、自社ニーズをスタートアップに説明するリバースピッチの機会を設け、個別面談を通じてオープンイノベーションに取り組む日本企業の具体的な成果獲得を目指した。

写真 aMoon(VC)でのスタートアップによるレクチャー(ジェトロ撮影)

aMoon(VC)でのスタートアップによるレクチャー(ジェトロ撮影)

プログラム最終日には、リバースピッチや個別面談、ネットワーキングのプログラムをテルアビブ市内で実施。スタートアップ、VC、インキュベーターなどを中心に100人近い関係者が来訪した。

写真 日本企業によるリバースピッチ(ジェトロ撮影)

日本企業によるリバースピッチ(ジェトロ撮影)

参加した日本企業からは、「多くのコネクションや知見を得た」「イスラエルのヘルスケア産業の柔軟さと力強さを実感した」「イスラエルで得たコネクションなどを今後の業務に生かしたい」「イスラエルの病院事情や保険制度、ヘルスケアに関するイノベーション、ヘルスケアデータに関する先進的な取り組みを見ることができた」などのコメントが寄せられた。

イスラエル政府はデジタルヘルスを経済成長のエンジンとするため、「National Digital Health Plan」を策定し、予算を重点的に投入している。リスクマネーの供給によるスタートアップの支援に加え、医療情報のデータベースや取り扱いルールの整備に取り組んでいる。

(余田知弘)

(イスラエル)

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