日越共同イニシアチブの第7フェーズが終了、85%の項目で進捗

(ベトナム)

ハノイ発

2019年12月24日

ベトナムの投資環境改善を目指す、日本との「日越共同イニシアチブ」第7フェーズの最終評価会合が12月12日、ハノイ市内の計画投資省で開催された。

日越共同イニシアチブは、ベトナムの投資環境を改善し、外国投資を拡大することを通じて、ベトナムの産業競争力を高めることを目的として、2003年4月に日越両国首脳の合意に基づいて始まった。今回の第7フェーズでは、2018年7月から司法制度改善、裾野産業、労働、PPP(官民連携)改正、サービス業など9つのワーキングチームを立ち上げ、52項目の行動計画に基づいて、日越官民一体で課題解決に向けた協議を行ってきた。

最終評価会合では、経団連日越経済委員会の市川秀夫委員長、藤本昌義委員長、兵頭誠之委員長および梅田邦夫駐ベトナム大使と、グエン・チー・ズン計画投資相が共同議長を務め、日越双方のワーキングチームの取り組み結果が報告されるとともに、ベトナム日本商工会議所やジェトロ、国際協力機構(JICA)がそれぞれコメントを出し、次期フェーズに向けた議論がなされた。

52項目の行動計画のうち、進捗を確認できたのは44項目で、労働関連法令の問題点解決に向けた定期会合が要望どおりに実施されるなどの成果がみられた(在ベトナム日本大使館ウェブサイト参照PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。一方、残りの8項目では期待された進捗に至らなかった。特にベトナム政府による投資優遇の一方的な撤回(2019年6月26日記事参照)に対しては、同様の事例が今後起こらないよう、日本側はあらためて強く要請した。

ズン計画投資相は「日越共同イニシアチブは、ベトナムの投資環境整備のために非常に有効な手法だ」と評価するとともに、日本企業の進出、人材や裾野産業の育成を促すため、日系企業専用の工業団地開発への投資を提案するなど、日本側のさらなる協力に期待を示した。

梅田大使は「第7フェーズの進捗率は85%で、前回の第6フェーズの81%より上昇した」と、ベトナム側の対応に謝意を表しつつ、継続中の投資法改正やPPP法案の議論を例に挙げ、安定的かつ継続的に投資をできるよう、「日本を含む外国企業の声をよく聞いてほしい」と訴えた。

写真 日越共同イニシアチブ第7フェーズの最終評価会合の様子(ジェトロ撮影)

日越共同イニシアチブ第7フェーズの最終評価会合の様子(ジェトロ撮影)

(庄浩充)

(ベトナム)

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