エネルギー効率保全法の施行細則が公布、罰則や優遇制度を規定

(フィリピン)

マニラ発

2019年12月11日

エネルギー省のアルフォンソ・クシ長官は11月22日、フィリピンにおけるエネルギー効率化や再生エネルギーの利用や導入を促進するエネルギー効率保全法(共和国法第11285号)の施行細則(IRR)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に署名した。

IRRは、家電、照明、電気機器、機械、輸送車両といったエネルギーを多く消費する製品(以下、対象製品)が最低限満たす必要のある省エネ基準「ミニマム・エネルギー・パフォーマンス(MEP)」を、エネルギー省が国家経済開発庁(NEDA)の協力の下で1年以内に作成し、導入することを規定する。そしてIRRは、対象製品の製造、輸入、卸売り、小売りを行う者が、対象製品がMEPを満たしていることをエネルギー省に届け出ることを規定する。違反者には、1万ペソ(約2万1,000円、1ペソ=約2.1円)から1億ペソの罰金や、1年から5年の禁錮刑を科すことが規定されている。

輸送車両については、エネルギー省が環境天然資源省の支援の下で2年以上かけて作成する環境基準「フューエル・エコノミー・パフォーマンス(FEP)」が、MEPとは別に規定されており、関連企業からの各種データを基にエネルギー省が今後作成するとされる。FEPを満たす輸送車両にはエネルギー省が作成するラベルが貼られ、エネルギー省は少なくとも1年に1度、輸送車両のショールームに立ち入り、FEPのラベルの貼り付けの有無を確認する権限を保有するとされる。

IRRはまた、投資委員会(BOI)が毎年発行する投資優先計画(IPP)に基づいて各種優遇措置を付与する産業分野に、エネルギー効率化プロジェクトを含めることを規定する。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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