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国防研究所、中国企業による対内大型投資案件報告書を発表

(スウェーデン、中国)

ロンドン発

2019年12月11日

スウェーデン国防研究所(FOI)は11月28日、2002~2019年に中国企業が行ったスウェーデン企業の大型買収に関する報告書を発表した。それによると、この期間に中国企業による大型買収が65件あり、買収額が明確になっている案件上位9社(表参照)の投資合計額は約945億クローナ(約1兆773億円、1クローナ=約11.4円)だった。SvD紙によると、65件の合計金額は約1,000億クローナに上るという。うち、投資件数が一番多かったのは2017年で13件だった。

表 中国のスウェーデン企業への大型投資(2002~2019年)

買収案件を分野別にみると、1位が工業製品・機械と、健康・バイオテクノロジー、3位が情報通信技術(ICT)、4位がエレクトロニクスと自動車産業で、中国からの投資はこの5つの分野に集中している(図参照)。

図 中国のスウェーデン企業への分野別大型投資件数(2002~2019年)

中国企業による買収については、技術の軍事目的への利用に対してスウェーデン国家安全警察(Säpo)が懸念を表明する(SvD紙2018年2月12日)など、これまでも懸念はあったが、この報告書であらためて、予想以上に多くのスウェーデン企業が中国資本の傘下にある現状が紹介され、これを不安視する声も上がっている。中国とスウェーデンの経済に詳しいクリスティーナ・サンドクレフ氏は、初めてこのような総括的な調査がスウェーデンで行われたことは喜ばしいとするともに、「半導体やエレクトロニクス・メーカーばかりでなく、漁業にも中国が進出していることを知って驚いている」とコメントし、「スウェーデンは(中国による投資に)無防備過ぎる。中国の意図をより深く考察するべきだ」と述べた。(SvD紙11月29日)。

一方、スウェーデン・チャイナ・トレードカウンシルのフレドリック・ショウ副会頭は「中国に対する根拠のない不安を払拭(ふっしょく)する必要がある。中国には良い投資家と悪い投資家がいる。ボルボに投資した吉利汽車(浙江吉利控股集団)は良い例で、数年前にリーセシルに投資しようとした例(同市にコンテナ港を建設しようとしたが、環境保護や国防面での反対から中止された)は悪い例だ(2018年3月1日記事参照)」と語った(同上)。

FOIは、スウェーデン在住の中国の投資家による企業買収など、今回の調査に含まれなかったケースも多々あるとみられるため、今後さらなるフォローアップ調査が必要としている。

(三瓶恵子)

(スウェーデン、中国)

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