「アフリカ・フィンテック・サミット」、アディスアベバで開催

(エチオピア)

アディスアベバ発

2019年12月12日

フィンテックに焦点を当てた国際会議「アフリカ・フィンテック・サミット」が11月21日、エチオピアの首都アディスアベバで開催された。主催者(デダルース・グローバル、アイベックス・フロンティア)によると、参加者は約350人で、エチオピアやケニア、ナイジェリア、米国などの企業が参加した。

写真 「アフリカ・フィンテック・サミット」会場の様子(ジェトロ撮影)

「アフリカ・フィンテック・サミット」会場の様子(ジェトロ撮影)

ゲタフン・メクリア革新・技術相は基調講演で、社会変革をもたらすデジタル技術を学び、取り入れていく必要性に触れた。テーマ別のパネルディスカッションでは、電子商取引(eコマース)の促進に向けて、法整備の遅れやインターネットの遮断などが障壁となっており、基礎的なインフラの整備が必要との指摘があった。ブロックチェーンも同様に基礎的なインフラの不足が課題となっていることに加え、暗号資産などの新技術の利用方法が認知されておらず、市場に浸透させることの難しさが紹介された。また、モバイルマネーや通信分野では、エチオピア財務省などが国営通信会社エチオテレコムの民営化プロセスを説明した。エチオピア政府は新規通信ライセンス2件を2020年3月中に発給する予定で、規制当局のエチオピア通信庁(ECA)はインターネット上で規制枠組み草案PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公開し、11月22日まで意見聴取を実施した。

関連イベントとして、11月22日には「ピッチ・エチオピア」が開催された。主催者(ペガサス・テック・ベンチャーズ)によると、参加者は約150人で、前日の国際会議参加者も多数出席した。

写真 「ピッチ・エチオピア」会場の様子(ジェトロ撮影)

「ピッチ・エチオピア」会場の様子(ジェトロ撮影)

主催者が2020年5月に米国で開催する「スタートアップ・ワールドカップ2020」への出場権を掛けたエチオピア予選の位置付けとなっており、エチオピアのスタートアップ企業7社が事業提案をした。エチオピア代表に選ばれた「アキシオム・ファイナンシャル・テクノロジー」は金融サービス利用者の信用評価情報を蓄積・分析し、金融機関などに提供する予定だ。エチオピアでは現在、金融サービス提供に当たって、信用評価情報が存在しないことが課題とされている。

本選への出場はかなわなかったが、医療機関向けの業務運営システムを開発・提供する「オービット・ヘルス」や、子ども向けプログラミング学習アプリ事業の「ビブロッキー」なども事業を提案した。

(山下純輝)

(エチオピア)

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