日中韓ビジネス・サミットが成都で開催

(中国、日本、韓国)

成都発

2019年12月25日

成都市で12月24日、「日中韓ビジネス・サミット」(以下、サミット)が開催された(主催:日本経済団体連合会、中国国際貿易促進委員会、大韓商工会議所)。サミットは、同日に同市で開催された日中韓首脳会議に合わせて実施されたもので、今回が7回目。日中韓の企業関係者ら約800人が参加した。

サミットの冒頭では、安倍晋三首相、中国の李克強首相、韓国の文在寅大統領が登壇し、自由貿易や地域経済統合を推進していくことの重要性や、デジタル経済の発展に向けた新しい国際秩序の構築、環境問題や高齢化など共通課題への対応に向けて、日中韓が連携して取り組むことの重要性を共通認識として示した。

パネルディスカッションでは、日中韓各国から経済界を代表する企業や団体が登壇、デジタル技術の活用によるイノベーションの創出や、環境問題への対応などをテーマに、企業の取り組みや、日中韓3カ国での連携の可能性について議論が行われた。

中国側の登壇4社うち、中国東方電気集団(本社:成都)を除く3社は、創業10年に満たない新興企業だった。人工知能(AI)を使った顔認識技術を持つ北京曠視科技(メグビー)の付英波総裁は「イノベーションは企業の成長に必要。そのためにも、日本や韓国とも連携を強めたい」と述べ、スマート・プロジェクターの開発・製造を行う成都極米科技(GIMI)創業者の鐘波董事長は「当社の製品には日本や韓国と連携して開発したデザインや技術が含まれている。技術型のスタートアップにとって、常にグローバル企業と協力していくことが重要」と語った。

日本では京都や兵庫で事業を展開するタクシー配車アプリ運営の滴滴出行(DiDi)の曲越川副総裁は「2020年の東京オリンピックに合わせて、東京でのサービスも開始したい」と日本でのさらなる事業拡大に強い意欲を示した。

サミットに参加した日本企業の関係者からは「中国ではモノのインターネット(IoT)やAI、ビッグデータなどを活用したデジタル経済の分野で、新しい企業が次々に生まれている。これらの企業が中国経済の新たな活力になっているという印象を持った」との声が聞かれた。

写真 登壇した安倍晋三首相(右)、中国の李克強首相(中央)、韓国の文在寅大統領(左)(ジェトロ撮影)

登壇した安倍晋三首相(右)、中国の李克強首相(中央)、韓国の文在寅大統領(左)(ジェトロ撮影)

(田中一誠)

(中国、日本、韓国)

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