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欧州委、2020年1月末の英国離脱を念頭に通商協議入りを準備

(EU、英国)

ブリュッセル発

2019年12月19日

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は12月18日、欧州議会に対して12月12、13日に開催された欧州理事会(EU首脳会議)の結果を報告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。大半は「欧州グリーン・ディール」(2019年12月13日記事参照)などEUの新政策(2019年12月5日記事参照)についての内容だったが、英国の下院総選挙の結果を踏まえて、英国のEU離脱(ブレグジット)問題に対するEU側の立場も総括した。

フォン・デア・ライエン委員長はブレグジット問題に関してまず、「2020年1月末までに離脱協定案は(英国議会で)承認されると想定している」とした。欧州議会本会議に出席した英国選出議員の中のEU残留派に対しても、「ブレグジットは非常に残念だ。あなた方の勇気に感謝する」と呼び掛け、今後、英国との将来関係構築を目指す意思を表した。

また、欧州理事会が欧州委員会に対して、ブレグジット後直ちに「EU・英国の将来関係」に関する交渉権限付託(マンデート)の指令案を提出することを求めていること(2019年12月16日記事参照)を念頭に、フォン・デア・ライエン委員長は「EU・英国間で活動する企業やEU市民などの権益のため、できる限り緊密な関係構築を新たに目指す」と語り、EUにとって第三国となる英国との可能な範囲での関係維持に意欲を示した。

2020年12月末までに妥結できなければ、ノー・ディールの危機再び

その一方、EU・英国通商協定を含む将来関係に関わる協議日程については、「極めて厳しいものがある」と指摘。2020年12月末にブレグジット後の移行期間が終了することを前提に、「時間はほとんど残されておらず、2020年12月末までに新たな将来関係についての協定を締結できなければ、再び〔合意なき離脱(ノー・ディール)と同様の〕崖っぷち(cliff-edge)の状況に直面する」と焦燥感をあらわにした。

フォン・デア・ライエン委員長は、ノー・ディールになればEUの利益を明確に阻害するとの立場をあらためて示したが、EUは引き続き27カ国による単一市場や関税同盟、700を超える国際協定を通じた利益を享受できるのに対し、ブレグジット後の英国はこれらの利益を失うことに触れ、「悪影響は英国の方が大きい」と指摘した。

欧州委は最短の交渉日程を念頭に、英国政府との将来関係協議を進める姿勢で、2020年1月末までに英国側が離脱協定案を承認してブレグジットに至れば、「2020年2月1日には交渉の権限付託の提案を行う用意がある」とフォン・デア・ライエン委員長は明言した。

(前田篤穂)

(EU、英国)

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