非石油部門の地場輸出額、9カ月連続のマイナス

(シンガポール)

シンガポール発

2019年12月26日

シンガポール貿易産業省傘下の産業振興・貿易振興機関のエンタープライズ・シンガポール(ESG)の発表(12月17日)によると、11月の非石油部門の地場輸出額(自国生産による物品輸出で、再輸出を除く)が前年同月比5.9%減となった。前月(12.5%減)に比べマイナス幅は縮小したものの、9カ月連続のマイナスとなった。

部門別では、エレクトロニクス分野が23.3%減と、前月(16.4%減)よりもマイナス幅が拡大した(図参照)。中でも集積回路(IC)が36.5%減、ディスクデバイスが35.7%減、パソコンが25.1%減と、エレクトロニクス分野の落ち込みの要因となった。これで、同分野の前年同月比輸出額は12カ月連続のマイナスとなった。

図 非石油部門の地場輸出額と前年同月比

非エレクトロニクス分野は1.3%増と、前月の11.2%減からプラスに転じた。金(249.3%増)、非電動エンジンモーター(40.1%増)、特殊機械(15.5%増)が大きく貢献した。

主要な貿易相手国・地域別にみると、米国、タイ、インドネシアを除いて前年同月比マイナスとなった。特に香港(27.6%減)、日本(20.4%減)、EU28カ国(10.0%減)で大きくマイナス。エレクトロニクス分野のみを国・地域別にみると、中国(48.6%減)、台湾(37.9%減)、香港(30.8%減)と北東アジアを中心に大幅な落ち込みがみられた。

(南原将志)

(シンガポール)

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