インドネシア、インドとの貿易関係強化へ新たな方策を探ることで一致

(インドネシア、インド)

ジャカルタ発

2019年12月23日

インドネシア外務省の発表によると、レトノ外相は12月13日、インドのスブラマニヤム外相と会談し、2025年の2国間貿易額を500億ドルに増加させるため、新たな方策を探ることで一致した。インドのモディ首相は11月の東アジアサミットにおいて、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に参加しない意向を示す一方、インドネシアのジョコ大統領との会談では、インド大洋州地域の平和と安定に向けた関係強化を行うことで合意していた。インドネシアとしては、インドとの貿易関係強化により、インドネシア産パーム油の輸出を拡大する狙いがあるとみられる。

インドネシアとインドは2018年5月にジャカルタで行われた首脳会談で、両国の2025年の貿易額を500億ドルまで増加させることで合意していた。その一方、インドは2018年3月から、インドネシア産のパーム油に対して44%、精製されたパーム油に54%の高関税を課すなどの措置を取ってきた。グローバル・トレード・アトラスによると、2018年のインドネシアからインドへのパーム油(HSコード1511類)の輸出額は、約356万ドルに上っており、インドネシア産パーム油の輸出金額の約21.5%を占めている。こうした状況から、インドネシアは、インドがRCEP不参加の場合でも、引き続きインドとの貿易関係の強化を図りたい構えだ。

このほか、両国外相の会談では、防衛、安全保障、連結性、貿易投資、人的交流の面で引き続き、協力することでも一致した。特に両国の国境が接する、アンダマン・ニコバル諸島とアチェの連結性を高める取り組みを進めることなどを確認した。

(山城武伸)

(インドネシア、インド)

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