欧州化学品庁、2万1,000超の登録済み化学物質リスト公開
(EU)
ブリュッセル発
2019年12月12日
欧州化学品庁(ECHA)は12月4日、化学品の登録・評価・認可・制限(REACH)に関する規則「欧州議会・理事会規則1907/2006」(注)の枠組みで登録されている2万1,000種類以上の化学物質のリストを公開した。リストはエクセル形式で各化学物質にEC番号とCAS番号(いずれも化学物質の識別番号)が付記され、規制適用の状況とより詳細な規制情報を含むウェブページ(Infocard)へのリンクが記載されている。
ECHAは、リストはEUレベルと加盟国レベルの関係当局への支援を主眼として作成したが、化学品規制の取り組みと進捗の情報を企業に提供するものだともしている。リストは該当のウェブページ末尾からダウンロードできる。
化学物質の規制適用の状況は次のとおり5分類されている。
- 「規制によるリスク管理を実施中」:人の健康と環境への危険性が確認された物質。
- 「規制によるリスク管理を検討中」:規制によるリスク管理が現在検討されている物質。
- 「データ作成」:さらなる規制措置が必要かを判断するために、追加の情報が必要な物質。
- 「現状ではさらなる措置の提案はなし」:EU域内の監督機関が現状ではさらなる規制を提案していない物質。
- 「指定なし」:REACH規則の枠組みで登録されているが、前述の1~4にまだ分類されていない物質。
現状では、2万種類に近い化学物質が「5.指定なし」に、1,500種類以上が「3.データ作成」に分類されており、これらの化学物質に対する措置は今後検討されることとなる。
ECHAは、リストが8月現在のデータに基づくことや、評価や規制適用の検討・提案によって化学物質の分類が変更されることなどから、最新情報は各化学物質の詳細ウェブページで確認するよう推奨している。リストの次回更新は2021年初めに予定されている。
(注)REACH規則などEUの化学品規制については、ジェトロ国・地域別情報(EU)貿易管理制度「EU輸入品目規制:特定危険化学品に関する規則 詳細(393KB)」を参照。
(村岡有)
(EU)
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