11月の製造業購買担当者指数(PMI)、6月以降最低を記録
(フィリピン)
マニラ発
2019年12月17日
IHSマークイットは12月2日、フィリピンの11月のIHSマークイット製造業購買担当者指数(PMI)(注)は51.4と発表した。51.3を記録した6月以降最も低くなり、前月比0.7ポイント低下した。(図参照)。
同社は低下について、8月以降、国内の製造工場の受注量は上昇しているものの、その上昇ペースが緩やかに減速していることを理由の1つに挙げた。国内企業からの受注は底堅いものの、海外からの受注量は昨今の世界的な景気減速の影響から、直近の半年間は減少傾向にある。このため、採用を控える企業も増加したという。さらに、悪化する国内の交通渋滞が企業の仕入れ実績に悪影響を与えているとした。
一方、ASEAN全体の11月のPMIは49.2と、10月の48.5から0.7ポイント上昇した。ただし、ベトナムとマレーシア、シンガポールを除いて軒並みPMIが前月比で減少するなど、ASEAN全体の製造業の業績見通しは先行きが懸念される。ASEANのPMIは高い順から、ミャンマー(52.7、前月比0.3ポイント減)、フィリピン(51.4、0.7ポイント減)、ベトナム(51.0、1.9ポイント増)、マレーシア(49.5、1.8ポイント増)、タイ(49.3、0.7ポイント減)、インドネシア(48.2、1.1ポイント減)、シンガポール(47.7、6.3ポイント増)となった。
(注)製造業の購買責任者を対象に、生産高や新規受注、在庫レベル、雇用状況、価格などの指数に一定のウエイトを掛けて算出する指数。0から100の間で変動し、50.0は「前月から横ばい」、50.0を超えると「前月比で改善・増加」を意味して景気拡大を示し、50.0未満は「前月比で悪化・減少」として景気減速を表す。IHSマークイットが11月12~24日に約400社の国内製造業の調達担当者に行ったアンケート調査に基づき算出。
(坂田和仁)
(フィリピン)
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