習近平総書記、東北地域の全面的な振興に言及

(中国)

大連発

2019年12月24日

中国共産党中央委員会の機関誌「求是」は12月15日、習近平総書記(国家主席)による政策指針「各地域の優位性を相互補完する質の高い地域経済発展局面の形成を推進」を掲載した(注)。

習総書記は中国経済の地域間の不均衡を指摘し、国内外の環境が著しく変化する中、地域の発展政策について戦略的に再考することを求めた。政策指針は4つの要点、具体的には地域経済の発展の現状、地域間協同発展に関する方針と措置、東北地域の全面的な振興の促進について述べている(表参照)。

表 「各地域の優位性を相互補完する質の高い地域経済発展局面の形成を推進」の要点とその概要

東北地域については、重要な工業・農業基地であり、国防や食糧、生態、エネルギー、産業の安定を保障する上で非常に重要な戦略的地位を持つと指摘した。東北地域の全面的な振興を図るため、今後公布される「第14次5カ年計画」(2021~2025年)期間中に、新たに戦略的措置を講じるべきとの考えを示した。

東北地域の振興に向けた方針として、とりわけ注目されるのが対外開放政策だ。対外開放の新たな中核地域となることが期待されており、それに向けて中央政府が一部の優遇策を与えることも可能とした。また、人材の重要性も指摘しており、産業人材の誘致、政府部門における有能な幹部の登用などを積極的に促進することで、遼寧省大連市や瀋陽市、吉林省長春市、黒龍江省ハルビン市などの主要都市への投資を活性化することを求めた。

(注)全文は「求是」誌ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(呉冬梅)

(中国)

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