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欧州委、WTO上級委員会問題の対策を提案

(EU)

ブリュッセル発

2019年12月16日

欧州委員会は12月12日、WTOの紛争処理制度の最終審に当たる上級委員会の欠員による機能停止問題(2019年12月12日記事12月13日記事参照)を受けて、通商協定の適用・執行に関する欧州議会・理事会規則の改正を提案した。

EUは、域外の第三国による通商協定への違反や、EU製品への待遇の変更に対する通商政策を通じた国際通商協定の権利行使のルールと手続きを、欧州議会・理事会規則654/2014外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで定めている。同規則の規定では、EUと第三国の間で貿易政策・措置をめぐる紛争が起きた場合にEUが対抗措置を講じるには、当事国間での協議と、WTOの紛争解決小委員会(パネル)、上級委員会の全ての段階を経る必要があると定めている。そのため、上級委員会が機能しないと、EUと係争中のWTO加盟国は、パネルの判断に不服申し立てを行うだけで、国際法上の義務を回避し、拘束力あるルールから免れることになる。

今回の提案は、EUとの係争を抱える第三国がパネルの報告書を不服とし、機能停止した上級委員会に申し立てを行った場合、上級委員会の判断を待たずにEUが対抗措置を講じることができるようにするもの。また、ノルウェーとカナダのように、EUと2国間で暫定的な上級審設置の取り決めに合意した場合は、暫定的な上級審の判断が順守されない場合に、対抗措置を講じることができる。

さらに、欧州委の案では、EUが締結した地域間・2国間の通商協定に含まれる紛争解決条項について、相手国がパネルの設置を阻害するなど、円滑な紛争解決を妨げる場合にも同様の措置を適用することが提案された。

なお、12月1日に発足した、ウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長率いる欧州委の新体制は、EUが合意した通商協定の、相手国における順守と執行状況を一層注視する姿勢を打ち出しており、その一環として「Chief Trade Enforcement Officer(首席通商執行官)」の役職の新設を決定。2020年早々に指名する見通しだ。

(村岡有)

(EU)

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