デンソー、現地スタートアップとのオープンイノベーションを加速

(イスラエル)

テルアビブ発

2019年12月16日

自動車部品大手のデンソー(本社:愛知県刈谷市)は12月8日、イスラエルの研究開発(R&D)拠点を通じたオープンイノベーション活動のプロモーションを目的として、テルアビブ市内で「DENSO Tech Day」を開催した。自社の活動や課題の説明に加え、現地スタートアップがデンソーと取り組む連携事例をプレゼンテーションした。

同社は、2018年からイスラエルに駐在員を配置し、自動運転やサイバーセキュリティ、人工知能(AI)などにフォーカスした技術探索を本格化させている。これまで120社以上のスタートアップと面談、15件のPoC(概念実証、Proof of Concept)を行い、うち4件の共同開発プロジェクトを具体化させている。今回、自社のブランディング、ビジネスエコシステムへの浸透を狙いとした「ミートアップ」という位置付けでイベントを企画した。

永縄浩イスラエル・ラボ所長(DENSO Israel  Innovation Lab、Head of Lab)が、イスラエルで関心が高い技術領域としてセンシング、サイバーセキュリティ、データ分析、アルゴリズムなどを挙げ、技術探索、概念実証、投資などの取り組みを説明した。若林宏之取締役副社長をはじめ、日本の先端技術研究所、技術企画部などから出張者がイスラエルに駆け付け、来場した多数のスタートアップや関係者との交流を行った。

写真 多数の参加者を集めた「DENSO Tech Day」(ジェトロ撮影)

多数の参加者を集めた「DENSO Tech Day」(ジェトロ撮影)

現地スタートアップからは、デンソーと共同開発を具体化させているキトフ・エーアイ(Kitov.ai)が外観検査自動化装置について、コグナタ(Cognata)が自動運転シミュレーションシステムについて、サイベラム(Cybellum)が車両サイバーセキュリティについて、それぞれの取り組み事例を紹介した。

なお、デンソーは、ベンチャーキャピタル(VC)のグローバルIoTテクノロジーベンチャーズ(GiTV)のサポートを受け、イスラエルでスタートアップと連携して技術開発の取り組みを行っている。

(余田知弘)

(イスラエル)

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