集積回路、電子デバイス、スマート医療などの分野で輸入関税免税対象品目を追加

(中国)

北京発

2019年12月25日

中国の財政部、工業情報化部、税関総署、国家税務総局、国家エネルギー局の5部門は11月26日、「重大技術設備の輸入税収政策の関連リストを調整することに関する通知」(財関税[2019]38号)(以下、通知)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布した。2020年1月1日から施行される。

中国政府は2009年から、重点的に育成を図る産業に関する設備・製品の生産に必要な基幹部品や原材料の輸入に対し、関税および増値税の徴収を免除する優遇政策を実施してきた。今回の通知では、対象設備・製品および、それに関連する免税対象が見直された。

今回の通知の重大技術設備・製品のリストには、29品目が新たに追加されたほか、64品目で技術規格の条件などが調整され、合計17項目・156品目の設備・製品が掲載された(通知の添付資料1を参照)。

上記リストに新たに追加されたのは、主に電子情報設備、バイオ医療設備の品目となっている。電子情報関連のうち、項目別で最も多くの品目が追加されたのは、前年に続き集積回路(IC)基幹設備で、イオン注入機、集積回路自動化測定設備など4品目に及んだ。また、電子デバイス生産設備および材料遺伝子設備の項目では、それぞれ3品目、2品目の追加があり、積層セラミックコンデンサー用の印刷機およびハイスループット材料チップシステムなどが含まれている。

バイオ医療関連のうち、デジタル医療画像設備、バイオエンジニアリングおよび医療生産専用設備の項目では、全自動血液細胞分析装置、糖化タンパク質分析装置など4品目が追加された。また、スマート医薬プラントの項目では、充填(じゅうてん)設備、キャッピング装置など4品目が追加された。

リストに掲載された設備・製品の生産に必要な基幹部品や原材料の輸入に対しては、2020年1月1日から12月31日まで、関税および増値税が免税となる。具体的な品目名およびHSコードは通知の添付資料2で確認できる。

また、同通知では、「輸入において免税としない重大技術設備・製品リスト(2019年改定)」(通知の添付資料3)も発表されており、同じく2020年1月1日から施行される。

今回のリストの見直しにより、より多くの電子情報、材料などハイテク分野の先進製造製品に関連する部品・原材料が税制上の優遇を享受できるようになっており、科学技術イノベーションの推進および研究開発への投入拡大がより促進されるとみられる。

(趙薇)

(中国)

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