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米下院でトランプ大統領の弾劾訴追が成立、上院で罷免は回避の見込み

(米国)

ニューヨーク発

2019年12月19日

米国連邦下院議会(定数435)は12月18日、トランプ大統領の弾劾決議案PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)について、「権力乱用」の条項では賛成230票、反対197票、「議会妨害」の条項でも賛成229票、反対198票の賛成過半数で採択した。いずれも、民主党から若干名が反対・棄権に回った以外は、党派にほぼ沿った投票結果となった。トランプ大統領は、第17代のアンドリュー・ジョンソン大統領(1868年)、第42代のビル・クリントン大統領(1998~1999年)に続き、米国史上で弾劾訴追された3人目の大統領となる。ただし、弾劾訴追を受けて大統領を罷免すべきかの裁判を行う上院議会では、罷免は見送られる見込みだ。

大統領の弾劾手続きでは、下院が検察官、上院が陪審員の役割を担う。民主党が多数を占める下院は10月31日に弾劾訴追調査を開始して以降、大統領が罷免されるに足る罪を犯したか調査を続けてきた。その結果、「権力乱用」と「議会妨害」の罪で大統領を弾劾すると結論付けPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、訴追にかかる決議案の採択に踏み切った。

「権力乱用」に関しては、トランプ大統領がウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領に対して7月、米国からの軍事支援などと引き換えに、ジョー・バイデン民主党大統領候補がオバマ政権の副大統領時代に、息子のハンター・バイデン氏が役員を務めていたウクライナのガス企業の不正疑惑を捜査していた当時の検事総長を解任するよう働きかけていた疑惑を調査するよう圧力をかけたことが罪に当たるとした。「議会妨害」については、ウクライナ疑惑を立証するために下院が証人として喚問したホワイトハウスの関係者が証言することを阻んだことが罪に当たるとした。

上院での裁判は2020年1月に行われる見込みだが、上院100人のうち53対47で共和党が多数を占める状況下では、大統領を罷免するに足る3分の2に当たる67人以上が賛成に回る可能性は極めて低いとみられている。過去に弾劾訴追されたジョンソン大統領、クリントン大統領も上院での罷免は免れている。

世論への影響は限定的

このように、最終的な結果が見えている中で、弾劾に対する支持率は勢いを得ていない。各種世論調査の平均値を出しているリアル・クリア・ポリティクスによると、直近の12月18日では、弾劾賛成が49.0%、反対が44.2%と、弾劾調査開始の決議が行われた10月31日の賛成49.2%、反対42.8%からほぼ変わっていない。トランプ大統領自身の支持率を見ても、10月31日に支持42.9%、不支持53.7%だったのが、直近の12月18日には支持44.5%、不支持52.0%と、支持率は微増となっている。

(磯部真一)

(米国)

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