サムスン電子、第3四半期の業績も減収減益

(韓国)

ソウル発

2019年11月11日

韓国のサムスン電子は10月31日、2019年第3四半期(7~9月)の業績(連結ベース)を発表した。それによると、売上高が前年同期比5.3%減の62兆ウォン(約5兆5,828億円、1ウォン=約0.094円)、営業利益が55.7%減の7兆7,800億ウォンだった(表参照)。同社は「スマートフォンなどの販売好調にもかかわらず、メモリーの業況不振が続き、前年同期に比べ売上高、営業利益ともに減少した」と説明した。

表 サムスン電子の業績(連結ベース)

同社が発表した第3四半期の部門別業績は次のとおり。

◇CE(コンシューマーエレクトロニクス)部門

売上高は前年同期比7.4%増の10兆9,300億ウォン、営業利益は1.8%減の5,500億ウォンだった。「QLED」(量子ドット)テレビや超大型テレビなど、プレミアム製品の販売が拡大したが、価格競争の激化により営業利益が減少した。白物家電は、韓国内における乾燥機、空気清浄機などの販売が好調で、冷蔵庫や洗濯機の収益性が改善した。

◇IM(IT&モバイルコミュニケーションズ)部門

売上高は前年同期比17.4%増の29兆2,500億ウォン、営業利益は31.5%増の2兆9,200億ウォンだった。モバイル事業は、ギャラクシーノート10、ギャラクシーAシリーズなどスマートフォンの販売好調や製品ミックスの改善などを受け、収益性が改善した。

◇DS(デバイスソリューションズ)部門

売上高は前年同期比23.4%減の26兆6,400億ウォン、営業利益は70.9%減の4兆2,400億ウォンとなった。主力の半導体事業は業況不振の中、価格下落が続き、売上高が17兆5,900億ウォン、営業利益が3兆500億ウォンだった。一方、ディスプレイパネル事業は、大型ディスプレイが供給過剰や販売価格の下落などで振るわなかったが、中小型ディスプレイの稼働率や生産性の向上などによる原価削減を受け、売上高が9兆2,600億ウォン、営業利益が1兆1,700億ウォンとなった。

また、2019年第3四半期の設備投資実績は6兆1,000億ウォン。第1~第3四半期の累計では、16兆8,000億ウォンが投資され、その内訳として半導体事業が14兆ウォン、ディスプレイ事業が1兆3,000億ウォンと発表した。なお、2019年の設備投資は前年に比べ4,000億ウォン減の29兆ウォンになる見込みで、その内訳は半導体事業が23兆3,000億ウォン、ディスプレイ事業が2兆9,000億ウォンだ。

〔諸一(ジェ・イル)〕

(韓国)

ビジネス短信 f2f0b625b8205e55