段ボールの需要拡大、日系2社が工場を新設

(ベトナム)

ハノイ発

2019年11月01日

経済成長および進出企業の増加を背景に、ベトナム北部で梱包(こんぽう)資材を製造・販売する日系企業2社が工場を新設した。

王子グループの王子テックス・ハイフォンは10月2日、ハノイ市南部に隣接するハナム省ドンバン3工業団地の新工場で開所式を行った。同工場は、王子グループとしてはベトナム5拠点目で、北部ではハイフォン市、バクニン省に続く、3カ所目の段ボール製造工場となった。顧客の近隣に新工場を設ける「地産地消」を進めることで、輸送コスト削減およびサービスの質の向上を図る。日系企業の需要拡大に対応するほか、ベトナムに進出する外資企業、ベトナム内需向けの販売拡大も目指す。

レンゴーグループのトライウォールは10月18日、ハノイ市南東部に隣接するフンイェン省イェンミー2工業団地の新工場で開所式を行った。同工場では、重量物用の産業用強化段ボールを主に製造する。同社は当初、2012年にレンタル工場で操業を開始したが、顧客の増加に伴う業務拡大のため、自社工場の設立に至った。東南アジアにおける戦略拠点として、当地のニーズに対応していく意向だ。

2社が工場を新設したハナム省、フンイェン省は、2018年から2019年上半期までの間、ベトナム北部で日系企業の進出が多かった上位2省だ。ハノイ市内や空港、ハイフォンの港からも比較的近い地域で、梱包資材の需要拡大が見込まれる。

ベトナム印刷協会(VPA)の2018年の報告では、ベトナムの印刷および包装梱包業界は過去1年間で15~20%の成長率を達成した。梱包資材の需要は、今後も経済成長とともに伸びると期待されている。

(庄浩充)

(ベトナム)

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