貿易産業省、スキルズフューチャーシンガポールとフィリピンの人材育成で連携

(フィリピン)

マニラ発

2019年11月12日

フィリピン貿易産業省(DTI)は10月29日、シンガポールのスキルズフューチャーシンガポール(SSG)と連携して実施する、フィリピンにおける人材育成プログラムの重点分野を発表した。重点分野となったのは、観光業、外食などサービス、小売業、運輸業、デザイン、国際競争力の6分野。

同人材育成プログラムは、9月にDTIとSSGが締結した覚書(MOU)に基づき、第4次産業革命などを契機にフィリピンにも今後、到来するとされる産業構造転換に備えて実施される。

SSGは、シンガポール経済のさらなる進化のために、シンガポールの全国民を対象に生涯教育の促進事業を行うシンガポール教育省傘下の機関だ。DTIは、SSGの経験や知見を活用して同プログラムを実施することで、フィリピンにおける産業人材育成面での産学官での将来的なミスマッチを防止し、必要なスキルを備えた人材を育成、輩出することを目指す。

DTI競争力革新グループのマリー・パチェコ氏は、競争力のある人材を育成するため、民間企業や教育セクターにも同人材育成プログラムの講師として参加してもらう、と説明した。DTIは、将来的には21分野まで対象分野を拡大する予定だ。

米国経営コンサルティング大手マッキンゼー・アンド・カンパニーは10月、フィリピンで第4次産業革命が進んだ場合、1,820万人の雇用に影響が出るという試算を発表し、特に影響が大きい産業分野として、農林水産業、小売・卸売業、製造業、運輸業、事務管理サポート、建設、宿泊・外食などサービス、教育、金融、ヘルスケアを挙げている(2019年10月21日記事参照)。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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