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高速鉄道建設計画、政府は続行、根強い反対も

(スウェーデン)

ロンドン発

2019年11月21日

スウェーデンで、2019年1月に連立与党の社会民主労働党(社民党)と環境党、野党の中央党、自由党の4党が合意した高速鉄道路線建設計画の続行に反対の動きが強まっている。

スウェーデンの3大主要都市である首都ストックホルム、ヨーテボリ、マルメ間を高速鉄道で結ぶ計画は1990年代から議論されていたものの、当時から高い建設費用を理由とした中道右派・穏健党の反対で行き詰まっていたが、2014年に社民党と環境党が政権を取ってから始動した。計画の背景には、過剰な輸送量に伴う鉄道の遅延増加が産業や通勤通学などの日常生活に支障を来していることが挙げられる。

また、鉄道での所要時間がストックホルム~マルメ間4時間25分、ストックホルム~ヨーテボリ間で3時間かかるため、高速鉄道で時間短縮を図ることにより、航空機から鉄道に利用客を取り戻す狙いもある(添付資料参照)。

2018年9月の総選挙前、トーマス・エネロース・インフラ相が連立与党と、野党の中道右派の4党連合(注)、左派との間で、高速鉄道用の線路建設について協議を重ね、1月に社民党と環境党、中央党、自由党の4党合意でプロジェクト続行が決まった。

しかし、計画が進むにつれて、当初2,300億クローナ(約2兆5,300億円、1クローナ=約11円)と見積もられた建設コストが4,000億クローナにまで拡大、費用対効果の面などから反対派が徐々に勢力を強めてきた。6月に党首が変わった自由党が計画への反対を表明、11月9日には賛成派だったキリスト教民主党も反対を党大会で決めた。ただ、党内を二分する大きな問題であることから、反対決定後も党内に不満がくすぶり続けている。

高速鉄道建設には、環境面からの反対意見もある。日刊紙「ダーゲンス・ニーヘーテル」は11月7日付で、高速列車は環境と経済の両面で悪影響を与えるとする究者6人の意見を掲載した。

これに対して、エネロース・インフラ相は「スウェーデンの環境目標を達成するためにも、インフラ整備は必須だ」として、同日のテレビ番組で反論した。

社民党は高速鉄道建設をインフラ整備の目玉として重要視しており、ステファン・ロベーン首相は9月10日の所信表明演説で「国中の道路と鉄道に7,000億クローナを投資する」と強調した。

(注)穏健党、自由党、中央党、キリスト教民主党。

(三瓶恵子)

(スウェーデン)

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