米フォード・モーター、カナダのオークビル工場で450人レイオフへ

(カナダ、米国)

トロント発

2019年11月05日

当地の複数の報道やカナダ最大規模の民間労働組合ユニフォーなどによると、米フォード・モーターは10月28日、2020年2月にカナダ・オンタリオ州オークビルのフォード・カナダの組み立て工場(時給従業員約4,600人)で450人のレイオフを行うと明らかにした。同社は9月に販売低迷を理由に200人のレイオフを行ったが、10月に入ってクロスオーバーのリンカーンMKTの生産を停止したのに続いて、11月末にはスポーツ用多目的車(SUV)のフォード・フレックスの生産も終了するために追加の削減を決めた。

これに対し、ユニフォーのジェリー・ディアス全国委員長は「オークビル工場での恒久的な雇用の喪失を防ぐために、新規あるいは生産拡大する車種を確保する必要がある」と語り、同工場への新車種の製造ライン導入を強く求めている(ユニフォープレスリリース10月28日外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ディアス全国委員長は「フォードはカナダでは非常に強力なブランドであり、消費者からの支援も厚く、誠実な従業員は新製品の生産に意欲的だ」と述べた。また、ユニフォーのデイブ・トーマス707地区支部長は「フォードはフォード・フレックスとリンカーンMKTの生産のライフサイクルの終焉(しゅうえん)が近づいていることは認識しており、われわれは今回のような結果にならないよう、オークビルで新車種を製造するようフォードに要求してきた。フォードが州政府や連邦政府とともに投資をしてくれることを望んでいる」と語った(CBCニュース10月28日)。

なお、連邦政府とオンタリオ州政府は2013年に、オークビル工場に約1億4,000万ドルの投資(補助金の供与)を行っている。

ビクター・フェデリ・オンタリオ州経済開発・雇用創出・貿易相は「今回のフォードの決定には非常に失望している。われわれはオークビル工場の従業員とその家族を支援する用意があることを理解してほしい。フォードや州の労働・訓練・技能開発省とも連携して、影響を受ける人々への支援を提供するために手を差し伸べる」との声明を発表した(シティニュース10月28日)。

(酒井拓司)

(カナダ、米国)

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