フィリピン中銀、消費者金融の金利や手数料に上限設定へ

(フィリピン)

マニラ発

2019年11月14日

フィリピン中央銀行(BSP)のベンジャミン・ディオクノ総裁は10月28日、2019年内にも消費者金融企業が顧客から受け取る金利や手数料に上限を設定する方向で検討していると発表した。

フィリピン証券取引委員会(SEC)は、法外な金利を課す業者の存在を問題視している。SECのエミリオ・アキノ会長は「日本、タイ、ミャンマー、米国と同様に金利の上限設定を行い、フィリピンの現状を改善するべきだ、と中央銀行に対して求めている」と説明した。BSPはSECの要望に基づき、11月中にもBSPの金融政策委員会で審議するという。

BSPの金融政策委員会は、金利や手数料の上限を設定する権限を持つが、フィリピンには消費者金融の金利や手数料の上限を設定する法律が存在せず、消費者金融企業は顧客との個別の契約において、自由に金利や手数料を定めることができる状況だ。

SEC会長によると、全ての金融関連企業の金利に上限が設定されるわけではなく、今回、上限の設定が検討されるのはあくまで消費者金融だけだとした。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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