合板を輸入時の強制規格対象品目に再追加の動き

(フィリピン)

マニラ発

2019年11月11日

フィリピン貿易産業省(DTI)は10月30日、輸入時の強制規格対象品目(注)に合板を追加するための調査を行っていると発表した。合板は2015年に強制規格対象品目から除外されたが、消費者の安全を脅かす可能性がある合板の輸入が増加しているとして、DTIが再追加に向けて調査を行い、再追加のための省令(Administrative Order)の発行を検討中だという。

DTI製品規格局によると、2019年1月から7月までの合板の輸入は金額ベースで1,275万ドル、重量ベースで3万2,768トンと、強制認証対象品目から除外した2015年同期の450万ドル、8,624トンからそれぞれ2.8倍、3.8倍に急増した。

フィリピンの木材製造業者や木材輸入業者で構成されるフィリピン木材製造者協会(PWPA)は、国民の安全を守るためにも、DTIの合板の強制規格対象品目への再追加の動きを支持する立場を表明している。ただしPWPAは、再追加に当たっては、合板の輸入の際に遅れが生じないように効率的で迅速な認証手続きを構築することをDTIに対して求めている。

DTIのラモン・ロペス長官は、10月25日に開催された第2回フィリピン消費者会議において、規格外の合板の国内流入が過度な価格競争などにつながり、操業中止に追い込まれるフィリピンの木材業者も存在し、フィリピン国内の木材加工業の衰退や貿易赤字にもつながっているとしていた。

(注)フィリピンへの輸入時に、フィリピン国家規格(Philippine National Standards)、またはDTI製品規格局が認める国際・外国規格に合致していることを証明する輸入商品許可証(Import Commodity Clearance)の発給を受ける必要がある品目。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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