9兆円規模に上る100のインフラ基幹プロジェクトが承認、今後入札へ

(フィリピン)

マニラ発

2019年11月13日

フィリピン国家経済開発庁(NEDA)は11月5日、投資調整委員会内の閣内委員会(ICC-CC)および社会基盤整備委員会(Infracom)が、総額4兆2,000億ペソ(約9兆2,400億円、1ペソ=約2.2円)に上る100の基幹プロジェクトの改定版を承認したと発表した。ドゥテルテ政権が進める大規模インフラ整備計画「ビルド・ビルド・ビルド」は、2022年までに8兆ペソの予算を国内インフラに投じる計画で、今回承認されたプロジェクトはその中核をなすものだ。

フィリピン基地転換開発公社(BCDA)のビベンシオ・ディゾン社長兼CEO(最高経営責任者)は、「100の基幹プロジェクトのうち、26は官民パートナーシップ(PPP)で実施される」と説明した。また、フィリピンでは過去の政権下で、PPPプロジェクトが失敗に終わり、多くの負債が残ったケースがあったことを踏まえ、「ドゥテルテ政権下で実施されるPPPプロジェクトは公共の利益を最優先とし、真に国民のための事業でなければならない」と説明した。さらに同氏は、同プロジェクトのうち、幾つかはドゥテルテ大統領の任期が終わる2022年までに完成するとしたが、残りの多くは部分的な供用開始、もしくは次の政権下で供用開始となるとした。

同プロジェクトには、マニラ首都圏地下鉄、南北通勤鉄道、クラーク国際空港の拡張、セブ島モノレールシステム、パナイ島~ギマラス島~ネグロス島間の橋、サマル島~ダバオ市間の橋、ミンダナオ島鉄道などが含まれる。今後、同プロジェクトはスイスチャレンジ方式(注)での入札に移る。

(注)当初提案者と当初提案者以外の対抗提案を比較し、より優れた提案者を落札者とする方法。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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