大手自動車メーカー「連合」、米連邦政府とカリフォルニア州の訴訟へ参加を表明、排ガス基準の一律化を目指す

(米国)

ニューヨーク発

2019年11月07日

ゼネラルモーターズ(GM)、フィアットクライスラー・オートモービルズ(FCA)、トヨタなどの大手自動車メーカーが参加する「持続可能な自動車規制のための連合(The Coalition for Sustainable Automotive Regulation)」(以下、連合)は10月28日、排ガス規制の制定をめぐりカリフォルニア州が9月20日に連邦政府に対して起こした訴訟PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に、連邦政府を支持するかたちで参加することを表明した。

米国の排ガス規制に関しては、連邦環境保護庁の規制のほかに、カリフォルニア州は大気浄化法(Clean Air Act)209条の適用除外を受けて、連邦よりも厳しい独自の基準を定めている。こうした中で、連邦政府は2018年8月、同州の適用除外の取り下げと、基準値の緩和を含む新規制案を発表、さらに2019年9月には基準設定の権限を連邦政府に一元化する「One National Program Rule」を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(2018年8月10日記事参照)。これに対しカリフォルニア州は、ニューヨーク州など22州とともに、適用除外取り下げの撤回を求めて、連邦政府に対し訴訟を起こしていた。

連合は、現在施行されている複数の排ガス基準が生産コストを押し上げるとして、今回の訴訟参加を通して国内で統一された基準の設定を求める意向だ。ただし、その内容に関しては、「企業は必ずしも連邦政府による新規制案を認めているわけではない」(連合のジョン・ボゼラ代表、「ワシントン・ポスト」紙10月28日)と明らかにしており、あくまで関係者が連携した上でバランスの取れたものにすることを目指すもの。連合は、今回の訴訟参加で、メーカーや販売代理店など関係者の代表として、業界の意見を反映させたい意向だ。

連合には、GM、FCA、トヨタに加え、日産、スバル、マツダ、現代、起亜など、外国メーカーからなるグローバル・オートメーカーズ(ホンダを除く)が参加する。一方、フォード、フォルクスワーゲン(VW)・グループ・オブ・アメリカ、BMWノースアメリカとホンダの4社は、2019年8月にカリフォルニア州との間で、連邦政府とは異なる独自の排ガス基準の採用で合意しており(2019年8月5日記事参照)、今回の訴訟参加は見合わせている。

(大原典子)

(米国)

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