ジョコ大統領、2期目の就任演説で2045年の先進国入り表明

(インドネシア)

ジャカルタ発

2019年10月25日

4月のインドネシア大統領選挙で再選されたジョコ・ウィドド大統領の就任式が10月20日に行われた。就任演説で、2045年の1人当たりGDPで3億2,000万ルピア(約320万円、1ルピア=約0.01円)を達成し、先進国入りを果たすことを目指すとともに、名目GDPを7兆ドルにし、世界の5大経済国に入ると表明した。最大野党グリンドラ党の党首で大統領選を争ったプラボウォ・スビアント氏を親友と呼びかける場面もあった。グリンドラ党は大統領派に近づく動きを見せていることから、地元紙は与党入りする可能性を指摘している。

ジョコ大統領は演説で、2045年の目標達成に必要な事項として、国民の生産性向上、イノベーション文化の定着、政府が各種施策を国民にしっかり届けることの重要性を強調した。さらに、今後5年間で人材開発やインフラ開発の継続、規制緩和、官僚主義の簡素化、資源経済依存からの脱却を企図した経済移行の5点を優先的に行うと明らかにした(表参照)。

表 ジョコ大統領就任演説のポイント

就任式には、シンガポールのリー・シェンロン首相、カンボジアのフン・セン首相、ブルネイのハサナル・ボルキア国王、オーストラリアのスコット・モリソン首相、中国の王岐山国家副主席らが出席した。日本からは中山展宏外務大臣政務官が出席した。

10月10日にはウィラント政治・法務・治安担当大臣が外出先で、イスラム国(ISIS)の思想に影響を受けた人物に刃物で刺されるテロ事件が発生。17日には、汚職撲滅委員会(KPK)を弱体化させる内容を含む改正法の施行に反対する学生による街頭デモの計画があったため、20日の大統領・副大統領就任式は厳戒態勢の中で開催された。

(山城武伸)

(インドネシア)

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