情報通信技術省、全国10万カ所超で無料Wi-Fi提供へ

(フィリピン)

マニラ発

2019年10月10日

フィリピン情報通信技術省(DICT)は9月30日、2022年までに全国10万カ所以上の公共施設、公共エリアで無料Wi-Fiを提供すると発表した。

DICTのグレゴリオ・ホナサン長官は、ドゥテルテ大統領が2017年8月に署名し、発効した「公共エリアにおける無料インターネットアクセスプログラムおよび資金創設法」に基づき、13億ペソ(約27億3,000万円、1ペソ=約2.1円)の予算を投じ、民間セクターと連携した上で全国10万4,000カ所の公共施設、公共エリアで無料Wi-Fiサービスを提供すると説明した。

DICTは既に、マニラ首都圏のサヌアン市の35の公立学校、病院、公園、市役所などにおいて、400メガビーピーエス(Mbps)の無料Wi-Fiサービスを提供するプロジェクトを2019年9月から実施している。

フィリピンでは2019年5月、ASEAN諸国では最初となる第5世代移動通信システム(5G)による通信サービスの提供が始まったが、フィリピン政府の発表資料によると、2017年時点の世界の平均的なインターネットスピードは30.85Mbpsである一方、フィリピンは13.41Mbpsと世界平均の半分を下回っており、インターネット利用料金が世界で最も高い国の1つとされている。

特に、フィリピンの公立校は私立校と比較して、情報通信技術(ICT)の整備が遅れており、ブロードバンドに接続できている公立校は少ない状況になっている(2018年12月26日付地域・分析レポート参照)。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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