税関が廃棄物、化学品の輸入監視を強化、既に10件没収

(フィリピン)

マニラ発

2019年10月24日

フィリピン税関は10月16日、8月に新設した環境保護コンプライアンス課(EPCD)がこれまでに計10件、2,474万ペソ(約5,195万円、1ペソ=約2.1円)相当の違法に輸入された廃棄物、化学品を没収したと発表した。

税関は、税関近代化・関税法(共和国法第10863号)と毒物・危険物・核廃棄物輸入厳格化法(共和国法第6969号)に基づく輸入規制を強化し、EPCDが輸入に当たって事前に当局の承認を必要とする廃棄物や化学品などの水際での監視を強めている。

監視強化の背景には、フィリピンに違法に輸入された家庭ごみや電化製品ごみ、廃プラスチックごみなどが環境を汚染する事件が多発していることがある。ドゥテルテ大統領は5月、カナダが6年前にフィリピンに輸出した69の廃プラスチックごみで埋まったコンテナをカナダ自身の費用で消毒させ、カナダに返送させた(2019年5月20日記事参照)。2018年には韓国から大量のプラスチックごみが持ち込まれ、フィリピンの環境団体が問題視する事件も発生した。

税関によると、直近で没収された輸入品には、中国から10月7日にマニラ国際港に到着した化学品(400万ペソ相当)があり、輸入許可を得ていない違法な手続きでなされたという。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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