JFE商事と川商フーズ、オグン州政府に学習用品寄贈

(ナイジェリア)

ラゴス発

2019年10月29日

ナイジェリアやガーナなど西アフリカを中心に「GEISHA」ブランドのサバ缶詰などを販売する川商フーズは10月16日、ナイジェリア南西部オグン州の州都アベオクタで、同州教育省に学校用品や缶詰製品を寄贈する式典を開催した。同省幹部と州内の小学校から多くの生徒や教師が集まった。

写真 寄贈式典の様子(ジェトロ撮影)

寄贈式典の様子(ジェトロ撮影)

ナイジェリアでは、「GEISHA」ブランドでサバのトマト煮缶詰が1950年代から販売されており、約60円という価格と保存性の高い缶詰の特性から全国に流通し、人々の食生活に深く根付いている。サバの缶詰自体が「GEISHA」と呼ばれるなど一般名詞化しており、ナイジェリアにおける日本ブランドとしてはトヨタに比肩する認知度だ。「GEISHA」ブランドを展開する川商フーズにとっても、ナイジェリアはサバのトマト煮缶詰の最大の販売先であり最重要市場だ。

川商フーズのナイジェリアにおける社会的責任(CSR)活動は、2011年に「GEISHA」ブランド設立100周年を記念して始まり、毎年継続して行われている。今回はオグン州政府に学習用机と椅子450セット、学習ノート1万1,000冊と「GEISHA」缶詰150カートンが寄贈された。州内から選ばれた11の小学校に配布される。

写真 子供たちに囲まれる津村JFE商事副社長(ジェトロ撮影)

子供たちに囲まれる津村JFE商事副社長(ジェトロ撮影)

寄贈式典は親会社のJFE商事により開催され、JFE商事の津村昭太郎副社長、川商フーズの山内浩裕取締役らがアベオクタを訪れた。津村副社長は「毎年の寄贈は長年にわたる愛顧に対する感謝の気持ちからで、ナイジェリアの子供たちの食生活と教育に貢献したい」と話した。オグン州のソヨンボ教育担当特別アドバイザーはスピーチで両社の貢献に謝意を述べたあと、集まった子供たちに「いただいたサポートを活用して勉強し、立派な大人になって成功することが最大の恩返しだ」と熱く語りかけた。

写真 スピーチするソヨンボ氏(ジェトロ撮影)

スピーチするソヨンボ氏(ジェトロ撮影)

ナイジェリアでの「GEISHA」缶詰の販売は、昨今の経済低迷や外貨規制の影響もあり、他の輸入製品と同様に減少していた。しかし、不況からの脱却、大統領選終了に伴う政治リスク低減から、経済活動の活発化や消費意欲の拡大が期待され、徐々に売り上げも回復している。今後もさらなる販売増加が見込まれる。

(山村千晴)

(ナイジェリア)

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