米オラクル、チリにデータセンター設立を発表

(チリ)

サンティアゴ発

2019年10月01日

9月18日付「プルソ」紙によると、米国ソフトウエア大手オラクル(Oracle)は、カリフォルニア州サンフランシスコで行われた自社イベント「Oracle Open World 2019」において、2020年中にチリにデータセンターを設立すると発表した。オラクルは現在、中南米においてはブラジルのサンパウロにデータセンターを有するのみで、チリでの設立により同地域内で2番目のデータセンターが誕生する。

会社のオーナーで創業者のラリー・エリソン氏は、アマゾンがアマゾンウェブサービス(Amazon Web Services)を介して世界中に展開しているクラウドサービスのインフラを超えることがオラクルの目的の1つとだと述べた。また現在、オラクルはチリを含め世界20カ国でデータセンターの新設を発表しており、それらが開設されればオラクルのデータセンターは36カ所に達し、アマゾンの持つ25カ所を超えるとしている。

大手テクノロジー企業各社がデータセンター設立に関心

9月18日付「プルソ」紙によると、グーグル、マイクロソフト、アマゾンウェブサービス、アリババクラウド、アセンティ(Ascenty)などの多国籍テクノロジー企業もチリへの投資へ関心を示し、チリの対内投資促進庁(InvestChile)と接触したという。現在、同庁が管理する投資プロジェクトは100件を超え、それらの投資総額は約25億ドルに上るが、そのうち17件がデータセンターに関するプロジェクトとなっている。既に、グーグルは7月にチリにおける第2のデータセンター設立を発表しており(2019年7月29日記事参照)、中国の華為技術(ファーウェイ)も8月28日に行われた「Huawei Cloud Chile Summit 2019」において、チリに中南米で最初のクラウドデータセンターを設立すると発表している。対内投資促進庁によれば、数週間以内にさらに2つのプロジェクトが発表される予定になっている。チリがこれだけの大企業の投資を引きつける理由の1つとして、経済的安定、安定した法律、高度なデジタル化に加え、競争力のある価格で再生可能エネルギープロジェクトが成長していることが挙げられており、今後この分野におけるチリへの投資が急増することが予想されている。

(岡戸美澪)

(チリ)

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