サレス環境相、漂着原油はベネズエラ産と発表

(ブラジル)

サンパウロ発

2019年10月30日

ブラジルのサレス環境相は10月23日に国内テレビ・ラジオを通じて声明を発表し、ブラジル北東部の沿岸に漂着した原油を分析した結果、ブラジル領海・領土から抽出されたものではなく、起源はベネズエラにあるとした。

環境相は、ベネズエラがこの問題に言及するよう米州機構(OAS)に正式要請する意向をボルソナーロ大統領が固めたとも伝えた。原油漂着の原因と起源は海軍、外国沿岸警備隊、連邦警察などが調査を継続しているとしている。

流出源の特定に2カ月を要した要因について、原油は重い物質で水面から約1.5メートルの海中を移動するため、衛星やレーダーシステム、船舶、航空機で視覚的に識別・追跡することが困難で、ブラジルの海岸の浅瀬に到着してからでないと特定できないという技術的な問題があるとしている。環境相には、対応が遅れているとの批判も上がっていた。

ブラジル石油公社(ペトロブラス)のネットー担当取締役は10月25日、同社が9月初めにブラジル北東部の海岸で採取した30の石油サンプルを分析した結果、ベネズエラ領内3カ所の油田のものとの判断に至ったと伝えた。ただし、原油流出場所は別のところの可能性もあり、大西洋上でアフリカから来る海流がブラジル北東部の海岸の北側と南側に分かれる分岐点を通過する船からの漏出も考えられるとして、政府当局が調査を継続していることを明かしている。

(大久保敦)

(ブラジル)

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