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総選挙で与党勝利、10月末の新政権発足目指す

(ポルトガル)

マドリード発

2019年10月11日

ポルトガル議会(一院制、定数230)選挙が10月6日に実施され、事前の世論調査の予想どおり、与党・社会党(PS)が前回(2015年)から21議席増の106議席を獲得し、第1党を維持した(表参照)。

アントニオ・コスタ政権は、2011年からEUとIMFの金融支援下に入り、厳しい緊縮財政による低成長にあえいでいたポルトガル経済を反緊縮と外資誘致策の2本柱で立て直したことが選挙で評価された。欧州の景気回復を追い風とした観光や外国人不動産投資の好調にも支えられ、2018年のGDP成長率は2.4%と堅調、失業率は就任時の12.2%〔2015年第4四半期(10~12月)〕から2019年第2四半期(4~6月)には6.3%にまで下がった。

表 ポルトガル総選挙の結果(暫定)

PSは大きく議席を伸ばしたものの過半数には届かず、政権継続には他党の協力が不可欠となる。

第2党の最大野党・社会民主党(PSD)は77議席と前回から7議席の減少となった。右派で第4党だった民衆党(CDS)も議席を4分の1に減らし、全体的に右派の勢力は縮小した。今回の選挙では、既存の右派政党に失望した層の票が保守党(Chega)とリベラル党(IL)の新興右派2党に集中し、初めて議席を獲得。特に保守党は、難民への国籍付与に反対するなど、外国人排斥的なマニフェストを掲げていることから、民主化後初の極右政党の国政進出として注目される。

マルセロ・ソウザ大統領は10月8日、PS党首で現首相のコスタ氏を新首相に指名した。英国のEU離脱期日である10月31日までの政権樹立を目指した異例のスピード指名とされる。

コスタ首相はこれから暫定内閣を組織し、新議会の発足から10日以内に新政権の政策綱領を提示して信任を問う。ここで過半数の支持を得られれば、正式な政権発足となる。報道によると、新議会の構成は国外移民が選出する4議席の投開票後の10月21日ごろになる見通し。

コスタ首相は6日の開票後、「国民は合意が困難な急進左派との政権運営を評価してくれた。より強力な与党の下で次期も同様の閣外協力を得られるよう努力する」(7日付の主要各紙)と述べた。政権協力の相手としては、これまで閣外からコスタ政権に協力してきた左派連合(BE)または統一民主連合(CDU)のいずれかが想定されるが、CDUは政権合意の継続を拒否していることから、BEとの交渉がカギとなる。

ただし、BEが政権協力の条件として大幅な財政出動などの難題を突き付ける可能性もあり、景気減速が予測される中、新コスタ政権は厳しいかじ取りを迫られるだろう。

(小野恵美)

(ポルトガル)

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