日・ウクライナ首脳会談、安倍首相が日本のIT調査団派遣に言及

(ウクライナ、日本)

ワルシャワ発

2019年10月31日

ウクライナのゼレンスキー大統領は10月21~24日に、即位礼正殿の儀への参加のため訪日し、21日に安倍晋三首相と初めての首脳会談を行った。

日本の外務省によると、安倍首相はゼレンスキー大統領の訪日を歓迎した上で、「大統領との初会談をうれしく思う。大統領が国民から大きな期待を受けて東部情勢の改善や国内改革に取り組んでいることを評価する。日本はウクライナに対する最大規模の援助国の1つで、ウクライナ政府の改革努力を引き続き支援していく」と述べ、日本からウクライナにIT分野の調査団を派遣する予定だと伝えた(注)。

ウクライナ大統領府によると、両首脳はウクライナにおけるインフラ整備への日本の投資について議論。ゼレンスキー大統領は「2014年以降18億ドルに達し、特に、ボルトニッチ下水処理場改修のための約10億ドルの円借款に感謝している。改修作業は来年初めに開始されることを期待している」と発言し、日本の支援を受けて進んでいるインフラ改修プロジェクトの継続への期待を強調した。

なお、ゼレンスキー大統領は即位礼正殿の儀に際して、訪日したカザフスタンのナザルバエフ元大統領、ブラジルのボルソナーロ大統領、ドイツのシュタインマイヤー大統領ら各国首脳とも会談を行っている。

(注)ウクライナのホンチャルク首相が9月23日に日本ウクライナ友好議員連盟と会談した際に、同首相は、IT産業は現在、ウクライナで最も進歩的な産業の1つとした上で、同分野での日本とウクライナの協力に期待を示した。

(楢橋広基)

(ウクライナ、日本)

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