付加価値税の引き下げと、法人税の引き上げを決定

(ウズベキスタン)

タシケント発

2019年10月02日

ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領は9月26日、大統領令第5837号「税務政策のさらなる向上に向けた施策について」に署名、10月1日から付加価値税(日本の消費税に相当)を20%から15%へ引き下げ、法人税は2020年から現在の12%から15%へ引き上げることを決定した。

税制については、2019年1月1日に大規模な制度改正が実施され、年商10億スム(約1,100万円、1スム=約0.011円)を超える中小企業に付加価値税の支払い義務が生じたが、年商30億スムまでであれば、付加価値税の支払い、または「簡易手続き」(年商の4%を付加価値税分として納付)のいずれかを選択することが可能だった。

今回の改正では、2020年から「簡易手続き」制度の廃止も決定され、年商10億スムを超える中小企業は全て付加価値税を支払う義務が生じる。国家税務委員会は付加価値税の引き下げについて「納税者に10兆スム以上の税負担軽減をもたらす」と発表。ウズベキスタンを「2008年の金融危機以来最も付加価値税を引き下げた(25%引き下げ)国」としている。

付加価値税引き下げによる税収減収分は、法人税と物品税の引き上げで賄われる。2020年からの法人税引き上げに加え、アルコールやたばこなどの嗜好(しこう)品、ガソリンやプロパンガス、潤滑油などのエネルギー製品、ポリエチレン原料など化学品を中心に、物品税が引き上げられた。個人所得税や利息・配当などの税率に変更はない。法人税の引き上げについて、政府は「ウズベキスタンの法人税率はCIS諸国内でも最も低いレベルにあり、引き上げで大きな影響は生じない」と判断している。

(高橋淳)

(ウズベキスタン)

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